明治、大正、昭和と3つの時代を生きながら、わずか36歳でこの世を去った河本緑石。
その短い生涯の中で、教育者として生きていた緑石ですが、何といっても文化、芸術面での活躍が緑石の名を後世にまで伝えていると言えます。
その文化、芸術活動も宮沢賢治等と同人誌「アザリア」を発行したり、画家の中井金三や前田寛治等と「砂丘社」の活動に加わったりと多義に亘っています。そんな中でも、自由律俳人としての活躍は緑石の代表的な活動の一つと言えるでしょう。山頭火や放哉が活躍し、自由律俳句が全盛を誇った時代に層雲にいて共に活躍していました。
その軌跡を紹介しているのが、生まれ故郷である鳥取県倉吉市にある河本緑石記念館です。ここでは、展示品の一部をご紹介します。
【自画像ー河本緑石作】
【倉吉市立明倫小学校の校歌草稿ー河本緑石直筆】
【宮沢賢治から緑石への手紙】
【緑石が溺れた同僚を助けようとして亡くなったことを知り、種田山頭火から緑石の妻に届いた手紙】
【層雲を主宰した荻原井泉水の書跡】
【荻原井泉水亡き後、層雲の発行人として活躍した陶芸家であり、自由律俳人でもあった内島北朗の作品「山のはたけに人の居る夏雲」】
【中井金三展ーこのように企画展も行われています】
河本緑石記念館は緑石の孫にあたる河本義和氏が館長を務めています。
訪問される方は開館時間と休館日には注意しましょう。
所在地 鳥取県倉吉市魚町2524
開館時間 10:00〜16:00
休館日 月曜・火曜・木曜
※駐車場が無いので、観光駐車場を利用すると良いでしょう。
最新情報はフェイスブックの河本緑石記念館を確認すると良いでしょう。
●河本緑石記念館周辺のスポット●
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河本緑石記念館の西側には倉吉市の観光名所である白壁土蔵群があります。白壁土蔵群は重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、江戸時代、あるいは明治時代のレトロな雰囲気を楽しめるスポットです。白壁と赤瓦の絶妙なバランスは見る人を惹きつけます。休日は観光客でにぎやかになり、ぶらぶらと散策するには最適です。
白壁土蔵群内には色んな施設があり、例えば、地元出身の横綱、第53代横綱琴櫻記念館もあります。
また、記念館の東には曹洞宗に属する寺院である大岳院があります。この大岳院には南総里見八犬伝のモデルとして知られる里見安房守忠義とその家臣8人のお墓があります。伝奇ロマンの世界に浸れそうですね!
北側には桜の名所100選にも選ばれている打吹公園があります。桜が咲き乱れる時期にはぼんぼりが灯され、「倉吉春祭り」が開催され、多くの見物客や屋台で賑わいます。ここは桜以外にもツツジの名所としても知られてます。打吹公園には猿山などミニ動物園があり、子どもたちに大人気。この公園はかつては打吹城があった地域で、園内には城郭址の施設が点在しています。ハイキングがてら山上まで登る人たちもいます。
この打吹公園には倉吉博物館があります。この博物館には日本画家の菅楯彦の他、河本緑石と関係が深かった前田寛治や中井金三の作品も収蔵されています。是非、一度立ち寄ってみると良いでしょう。
●河本緑石記念館を訪ねるときのおすすめ宿●
河本緑石記念館を遠方から訪ねる場合、ホテルか旅館に泊まることになるでしょう。倉吉市内にも、いくつかホテルや旅館があります。
倉吉市のホテル・旅館
倉吉市周辺は三朝温泉、東郷温泉、ハワイ温泉など有名な温泉地があります。せっかくですから、こうした温泉に泊まって、美味しいものをいただくのも良いでしょう。
三朝温泉の宿
ハワイ温泉の宿
しかし、河本緑石に興味がある方にぴったりの宿があります。それは三朝温泉にある木屋旅館。この旅館の女将は河本緑石の孫に当たります。館内には「茶房 木木(きぎ)」という喫茶があり、その一角にカムパネルラの館というスペースがあります。これは緑石と宮沢賢治の関係から来ています。緑石ファン、宮沢賢治ファンなら、是非とも行ってみたい場所だと思います。
古き良き湯の宿 木屋旅館